2018年11月20日調布市受動喫煙防止条例案に関する意見募集が開始しました
2018年11月20日、(仮称)調布市受動喫煙防止条例案に関する意見募集が開始しました。
これまで調布市役所は様々な議論をしながら受動喫煙防止条例の検討を進めてきており、当ネットワークも会議に出席したり情報提供したりするなど、条例制定の検討にあたりサポートいたしました。
やっと条例案の公開にまで至りましたが、先進的な内容がある反面、当ネットワークとしても不十分な点が多いと考えております。
国の健康増進法改正や、都の受動喫煙防止条例により屋内は一定程度規制されているため、調布市の受動喫煙防止条例は屋外が中心となっています。
条例案のポイントを以下のとおりまとめます。
先進的な点
受動喫煙防止を目的としている
他の地域にも路上喫煙禁止に係る条例はありますが、目的条文を読むとほとんどが「環境美化」が目的となっています。そのため、ポイ捨て防止のための喫煙所・灰皿の設置が前提となっています。
調布市の条例は、あくまで受動喫煙防止を目的としています。
受動喫煙防止について市として取り組む姿勢を示している
調布市は、2019年ラグビーワールドカップの開催地であり、かつ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催地でもあるという、日本で唯一のダブル開催地です。
こうした事情も踏まえ、ビッグスポーツイベントの開催地として恥じない仕組みを作ろうとしています。
これまで受動喫煙防止は、各部署の事業の目的・内容と競合することがありましたが、今後は、全部署が受動喫煙防止を前提とした事業を行っていく形になります。
加熱式タバコも対象としている
紙巻きタバコだけではなく、iQoSなどの加熱式タバコも対象にしています。
公園も禁煙にする
市民の憩いの場である公園を禁煙にしています。これにより、イベントやお祭りなども必然的に全面禁煙になります。
幼稚園、保育園、学校等の子ども施設に隣接する道路を禁煙にしている
諸外国では、子どもを守るためにしばしばみられる規制ですが、ついに日本で初めて調布市で導入されます。
通学路は努力義務だが、禁煙
通学路は非常に広範囲にわたるため、努力義務となっていますが、禁煙となります。
電柱の通学路マークに禁煙マークをつけることが検討されています。
学校教育の場で喫煙防止・受動喫煙防止のための教育を行う
条例で明記することによって、若年者の喫煙率を下げ、また子供たちが自律的に受動喫煙を避けられるようにしています。
その他
その他、優れた内容が定められようとしていますが、ここでは反対者側のネタに使われないように差し控えたいと思います。
不十分な点
加熱式タバコに罰則が無い
市曰く、「東京都受動喫煙防止条例」と同じ考え方をとった、とのことでしたが、一方で隣の稲城市は加熱式タバコも罰則の適用対象としています。
路上喫煙禁止区域を駅から200mの範囲としている
隣の稲城市では、駅から300mとしています。
市の施設(公園等含む)の場合には、違反時の罰則が無い
実効性が確保できるのか、違反し喫煙している者を制止し発生中の受動喫煙を防止する手立てがないことが問題です。
保育園、幼稚園、学校等に隣接する道路の場合には、違反時の罰則が無い
子どもの前で喫煙していても制止する手立てがありません。
通学路を努力義務としている
通学路は調布市の路上を多くを占めるという理由で義務ではなく努力義務としたようですが、「せめてスクールゾーンは義務規定の対象にすべき」との声も「調布市受動喫煙防止対策推進検討会」においてありましたが、反映されませんでした。
私有地での喫煙が考慮されていない
路上喫煙禁止規制を行うと路上喫煙禁止区域沿いの私有地での喫煙が横行する恐れや、ビッグスポーツイベントで海外から多くの来訪者があると禁煙の飲食店やホテルで喫煙される恐れがあります。
こうしたことから、管理者が「禁煙」と定めた区域では喫煙を禁止しなければならない旨の規制を定めるよう、医師会・歯科医師会・薬剤師会・ちょうふタバコ対策ネットワークから重ねて要望してきましたが、採用されませんでした。
この条例案に関する意見は、調布市在勤在住、その他当該施策に利害関係のある方から提出することができます。
ぜひ意見の提出をお願いいたします。こちらをクリックすると、メールを起動できます。