【2019年3月26日】調布市受動喫煙防止条例が全会一致で可決、成立しました

2019年3月26日、調布市受動喫煙防止条例が全会一致で可決、成立しました。

2019年7月1日から施行されます。(罰則は少し先から適用)

これまで調布市役所は様々な議論をしながら受動喫煙防止条例の検討を進めてきましたが、当ネットワークも会議に出席したり情報提供したりするなど、条例制定の検討にあたり綿密にサポートいたしました。

さまざまな難関を乗り越え無事に条例成立にこぎつけられたのも、行政、議会、三師会、ちょうふタバコ対策ネットワーク、そして多くの関係団体や全国の禁煙化推進に関わる方々の協働と知恵と戦略のたまものであると感じています。

あらためて、関係者の皆様にお礼申しあげます。

条例の特徴を以下のとおりまとめます。

調布市受動喫煙防止条例の特徴

基本的な考え方としては、パブリックコメントに付された考え方と変わりありません。

国の健康増進法改正や、都の受動喫煙防止条例により屋内は一定程度規制されているため、調布市の受動喫煙防止条例は屋外が中心となっています。

受動喫煙防止を目的としている

他の地域にも路上喫煙禁止に係る条例はありますが、目的条文を読むとほとんどが「環境美化」が目的となっています。そのため、ポイ捨て防止のための喫煙所・灰皿の設置が前提となっています。

調布市の条例は、あくまで受動喫煙防止を目的としています。

吸わない人だけでなく、吸う人も受動喫煙の健康被害から守ることを目的としている

調布市の条例の最も素晴らしい点が、この目的です。

通常、受動喫煙防止策を述べる時には「吸う人の権利を尊重し・・・」「吸う人も快適な・・・」というフレーズが並びますが、調布市の条例は「吸う人も受動喫煙の健康被害から守る」としています。

そのため「分煙」という考え方がなく、敷地内全面禁煙が原則であり、行政として喫煙所の設置もしません。

国の改正健康増進法でも東京都の受動喫煙防止条例でも、他の自治体の条例でも、ここまでは謳っていません。

受動喫煙防止について市として取り組む姿勢を示している

調布市は、2019年ラグビーワールドカップの開催地であり、かつ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催地でもあるという、日本で唯一のダブル開催地です。

こうした事情も踏まえ、ビッグスポーツイベントの開催地として恥じない仕組みを作ろうとしています。

これまで受動喫煙防止は、各部署の事業の目的・内容と競合することがありましたが、今後は、全部署が受動喫煙防止を前提とした事業を行っていく形になります。

加熱式タバコも対象としている

紙巻きタバコだけではなく、iQoSなどの加熱式タバコも対象にしています。

公園も禁煙にする

市民の憩いの場である公園をすべて全面禁煙にしています。他の自治体と異なり喫煙所も設置しません。これにより、イベントやお祭りなども必然的に全面禁煙になります。

幼稚園、保育園、学校等の子ども施設に隣接する道路を禁煙にしている

諸外国では、子どもを守るためにしばしばみられる規制ですが、ついに調布市でも導入されます。

通学路は努力義務だが、禁煙

通学路は非常に広範囲にわたるため、努力義務となっていますが、禁煙となります。

電柱の通学路マークに禁煙マークをつけることが検討されています。

学校教育の場で喫煙防止・受動喫煙防止のための教育を行う

条例で明記することによって、若年者の喫煙率を下げ、また子供たちが自律的に受動喫煙を避けられるようにしています。

事業者にも受動喫煙防止の努力義務を課している

ターゲットは、コンビニやタバコ屋が道路沿いに設置した灰皿です。

事業者は、近くを通行する人や近隣住民に受動喫煙が生じないようにする必要があります。